永代供養のお墓を選ぶ際のポイント

永代供養のお墓を選ぶときには宗派や埋葬する人数、維持費を確認し、希望する地域のお墓を絞り込んでいくのがポイントになります。また永代供養の注意点も押さえておくべきです。
近年多くの人からの注目を集めているのが、故人の子孫に代わって寺院や施設が管理・供養をする永代供養のお墓です。継承者がいなくても利用でき費用が安いなどといったメリットがあり、選ばれています。しかし利用を検討する際には、いくつかのポイントを押さえて選ぶことが大切です。ここでは永代供養のお墓選びのポイントをご紹介します。

永代供養の宗派を確認する

生前から没後に入る自分の永代供養付きのお墓を自分で探したり、遠方にあるお墓を片付けて新たに別の永代供養に対応している墓地・霊園などに改葬したりといった計画を立てている人もいると思われます。そのような目的で永代供養のお墓を選ぶときには、墓所の宗派もよく確認するべきポイントです。なぜなら永代供養の方法には様々なものがあり、それぞれの霊園や墓地によってことなるからです。公益法人などが運営している霊園と、寺院の墓地の場合でも大きく異なっていることがあります。一般的な寺院墓地の場合には埋葬するためにはその寺院の檀家になる必要があり、永代供養の対象となるお墓の場合でも檀家にならなくてはならないというケースがあります。

一方、霊園の場合には特に宗旨・宗派は問わないとされていることが多いです。とはいえ寺院の管理・運営する永代供養のお墓でも、永代供養の霊園のお墓でも故人がそれまでにどのような宗派であったかは問われないケースがほとんどです。ただし申し込みをして契約をした後の納骨式の法要やその後の定期的な供養は、その墓所を管理するところの宗派に則って行われることになるのが一般的です。もし故人の遺志や自分自身の希望で決まった宗派の供養をして貰いたいなら、宗派を確認する必要があります。

永代供養に埋葬する人数を確認する

これから永代供養のお墓の購入を考えているのなら、埋葬する人数のことも考えてお墓を選ぶことが大切になります。というのも永代供養のお墓にも、個別墓や合祀墓などさまざまなタイプのものがありますが、それぞれによって埋葬可能な人数が異なることがあるからです。一般的に永代供養のお墓では、ひとりひとりの単位で埋葬をするようになっているところが多くあります。この場合には、お骨を故人単位で埋葬をするのが特徴で、1つのお墓に1人しか入ることが出来ません。このお墓に複数名を埋葬する場合には、埋葬人数分の利用料金が発生することになります。そのためもし夫婦や子どもなどを含めた、複数人分のお墓を用意したい場合には場合によっては他の方法のほうが安くつく可能性もあります。

故人単位で入る永代供養のお墓の他には、1つのお墓に夫婦単位で骨壺を納めておくことのできるタイプの永代供養のお墓や、一定の人数を上限として複数名分の遺骨を納めることのできる永代供養のお墓も存在していますが、この場合であっても人数分の料金が発生するのが一般的です。もしこれから永代供養のお墓に埋葬するためお墓の購入を検討しているのなら、何人分を埋葬する予定なのかを考えて、最適な規模のお墓を選ぶことがポイントとなります。

永代供養の維持費が発生するかどうかを確認する

寺院や霊園が管理をおこなっている様々な永代供養のお墓がある中から利用するところを選ぶときには、永代供養に維持費が必要になるかどうかも確認しておきたいポイントです。もし見落として気付かずに申し込んでしまった場合、後から困ることにもなりかねません。永代供養ではない一般のお墓の場合には、毎年管理費を支払うようになっていることが多いです。一方、多くの永代供養のお墓ではそのような毎年支払う必要のある料金は不要となっていることが多くあります。ただし管理料が全くないとされているところもあれば、年間の管理費が無料であるというわけではなく申し込み時に支払う料金に含まれていたりすることもあります。

管理費が元々不要だったり、先払いで永代供養の維持費の支払いを済ませられたりすれば、お墓の維持や管理のための手間や負担が軽減されるでしょう。そのような便利さが永代供養のお墓の魅力であり、近年人気を集めている理由でもあります。とはいえ利用する霊園や墓地が具体的にどのような料金システムになっているかは、それぞれの永代供養の墓所によって異なっているため一概には言えません。契約をする前には費用の内訳を確認するとともに、今後維持費が発生することはあるのかも良く確認をしておくと安心です。

希望する地域から永代供養のお墓を絞り混む

永代に渡ってお寺や施設が供養をしてくれる、永代供養に対応している墓所は各地にあります。これから埋葬するための永代供養のお墓を選ぼうとしているのなら、希望する地域にある自分に合った墓所を選ぶ必要があるでしょう。現在の住まいに近いところにあるお墓なら、お彼岸やお盆などの機会にはお参りに出かけやすいというメリットがあります。思い立ったときに気軽に出かけられる距離にあるのは、残された人にとって安心できるポイントかも知れません。都市部にある永代供養の墓所は、交通の便が良いためお墓参りに出かけたいときにも便利です。とはいえ郊外にある墓所と比較すると、永代供養のお墓の利用料金も高くなる傾向があります。

とはいえ一般墓と比較すると、手の届きやすい価格ではあります。郊外にある永代供養の墓所は電車を乗り継いだり、バスを利用したりしないと到着できないような場所にあることも少なくありません。もし頻繁にお墓参りに行きたいと考えているのなら、無理のないアクセス方法があるかどうかも確認をしておくべきでしょう。とはいえ自然が豊かな場所にあることも多く、訪れた際には自然に触れる機会になることもあります。また永代供養のお墓なら、頻繁にお参りに行けなくても、霊園や寺院が管理や供養をしてくれるので安心です。

永代供養に関する注意点

遺骨を埋葬するための永代供養のお墓を選ぶときには、あらかじめ知っておきたい注意点もあります。その1つは、初めから合祀するタイプの永代供養墓に関することです。永代供養のお墓には個別タイプのものと、合祀タイプのものがあります。合祀タイプのお墓は個別のもと比較すると一般的に安く利用できる場合が多いため、価格重視の人に選ばれることが多くある永代供養のお墓です。ただしはじめから他の方と一緒に納骨されるので、一度合祀してしまったら取り出すことが出来なくなってしまうことになります。

考えられるトラブルとして、すでに合祀墓に納骨してしまったのに、後になって家族や親族から分骨して欲しいと言われるといったことが挙げられるでしょう。また後から合祀墓ではなく、他の埋葬方法にしたいと気が変わるということもあるかも知れません。しかし既に合祀してしまった場合、分骨したり移骨したりすることは出来なくなるので注意が必要です。こういったことを避けるには、よく家族や親族と相談をしたうえで埋葬することをおすすめします。自分一人で決めてしまうことはトラブルの元となることがあります。また一定の年月が経過するまでは個別に納骨出来るタイプの永代供養のお墓を利用すると、気持ちの変化や分骨にも対応できたりするはずです。

永代供養のお墓を選ぶポイントをご紹介しました。申し込み前にはまず宗派と埋葬する人数、それに維持費を確認します。そして希望地域のお墓を絞り込みましょう。合祀墓の場合は個別にお骨を取り出せなくなる点に注意が必要です。